いよいよスギ花粉症持ちの方には嫌な季節になりました。先週あたりから本格化してきた印象です。残念ながら事前情報では今年の関東は花粉の飛散は例年よりも多い様です・・・。ところで、この”花粉症”とはいつからあるのでしょうか?
(スギ花粉症の歴史〜日本固有の病気)
日本でスギ花粉症が発見されたのは1963年です。そして、翌1964年東京オリンピックの年にその事実が論文として発表されました。そして、その後スギ花粉症は日本の経済発展に歩調を合わせるように増加してきたのです。この主な原因は日本が戦後、復興のために急増した木材への需要に応えるために、国をあげてスギやヒノキの植林政策を行うようになったことにあります。実はこのスギ花粉症は日本固有のものなのです。但し、北海道と沖縄はスギの植林が行われなかったので、スギ花粉の飛散がなく花粉症患者は少なく、植林が多かった関東や甲信越に患者が多い傾向にあります。
(今年のスギ花粉;東日本は例年よりやや多い予想)
前年の夏の日照時間が長いほど翌年の花粉は多く飛散する傾向にあります。また、花粉量が多かった年の翌年は花粉量が減少する傾向があります。気象庁の予想としては関東以北は例年よりやや多いとされています。
(花粉症対策のPOINT)
- ・花粉情報をまめにチェックしましょう
- ・外出を控えめに、外出時は完全防備
- ・帰宅時は玄関で花粉をはらい落としましょう、帰宅後は洗顔やうがいを
- ・ドア、窓を閉める(ただし時々は換気を。)
- ・掃除はこまめに
- ・早期からの内服・点鼻薬・点眼薬の使用を
(食事でも予防できる??)花粉症の症状を和らげる食材がいくつか言われています。
(1)乳酸菌を含む食品(ヨーグルト・味噌など)
「乳酸菌」は、腸内にいる細菌バランスを改善して免疫力を高めてくれます。
(2)ポリフェノールを含む食品(緑茶・大豆・ワイン等)
「ポリフェノール」は、抗酸化物質が多く毛細血管の強化、保護、活性酵素を抑制し血流を改善してくれます。そして、「ヒスタミン」などのアレルギー反応に関与する化学物質が放出されるのを制し、症状を穏やかにする効果があるといわれています。
(3)ビタミンやミネラルたっぷりの野菜類
『長ねぎ・しょうが・にんにく等(薬味類、大根・かぶ等(根菜類)』
野菜の中にはポリフェノールだけでなく、免疫機能を高めてくれるビタミンやミネラル、腸内環境を整えてくれる食物繊維が豊富に含まれてありますので、花粉症を予防・軽減するためにも一年を通して野菜をを積極的に食卓へ出すように心がけましょう。
(4)EPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を含む食品
『あじ・さば・いわし・鯛等』
EPAとDHAは免疫を正常にしてアレルギー症状を抑える働きを持っています。アレルギー症状を引き起こすロイコトリエンと言う物質の発生を抑えることができると考えられています。
(おわりに)
本格化した花粉症シーズン。対策や治療はこれからでも遅くはありません。最近では副作用の眠気が少なく、効果がしっかり期待できる1日1回の内服薬や、1日1回で長時間効果が持続する点鼻薬、コンタクトレンズ装着でも使用可能な点眼薬など治療薬もさまざまです。お困りの方はぜひ当院でご相談ください。