経口ブドウ糖負荷試験とは?
75g経口ブドウ糖負荷試験(以下、経口ブドウ糖負荷試験)という検査があります。
ブドウ糖負荷試験とは、ブドウ糖を溶かした炭酸水を飲み、その30分後、1時間後、2時間後、必要に応じて3時間後…にそれぞれ採血検査を行い、血糖値を測定する検査です。
また、血液中のインスリン濃度を測定することで、摂取したブドウ糖に反応して十分な量のインスリンが分泌されているか調べることができます。
検査でわかること
・糖質を摂取したとき、血糖値がどのように上昇するか
・その血糖上昇に対してインスリンホルモンの分泌がスムーズかどうか
・インスリンホルモンの量は十分に出ているかどうか
ブドウ糖負荷試験は将来的に、糖尿病を発症するリスクが高いかどうかを読み取ることができるとても意義の大きい検査でもあります。明らかな糖尿病症状がある場合には行われず、糖尿病の診断時に必ず必要な検査ではありません。
また、妊婦においても妊娠初期の随時血糖測定に加えて、妊娠24週(妊娠中期)までに、糖代謝異常の早期発見を目的として、グルコースチャレンジ試験(GCT)という経口ブドウ糖負荷試験が行われています。(検査で陽性の場合は、75gOGTTを実施)
検査がすすめられるケース
強く推奨されるのは、現在糖尿病の疑いが否定できない場合です。
・空腹時の血糖値が110~125mg/dl
・随時血糖値(食事と採血時間との時間関係を問わずに測定した血糖値のこと)が140~199mg/dl
・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が6.0~6.4%(ただし、明らかな糖尿病の症状が存在するものは除く)
行うことが望ましいとされるケース
将来糖尿病を発症する危険性が高い、高血圧、脂質異常症、肥満など動脈硬化のリスクを持つ方に関しては、特に75gOGTTの検査の実施が望ましいとされています。
・空腹時血糖値が100~109mg/dl
・HbA1cが5.6~5.9%
・上記を満たさなくても、濃厚な糖尿病の家族歴や肥満が存在する場合
ブドウ糖負荷試験をやってみました
実際に検査をしてみました!10時間絶食をして、検査に挑みます。
まずは空腹時の血糖値を測定するために、採血検査を行います。
そして甘い炭酸水の検査薬(トレーラン)を飲みます。甘いサイダーのようで、意外と美味しい!おかわりが欲しかったですが、225mlでした。
その後、30分後、60分後、90分後、120分後に採血検査を行いました。2時間程度かかりますが、院内でゆっくり過ごしながらの検査になります。(院内のwi-fiを利用して待合室にて快適に過ごしました)
ブドウ糖負荷試験の結果
翌日、採血結果の説明がありました。
私の結果は正常とのこと。下のグラフの「正常」の数値が私の結果の実際の数値です。
血糖値の上昇に対して、スムーズにインスリンが分泌され、血糖値は60分後には正常値まで改善している、とのことでした。耐糖能異常パターン、糖尿病パターンと比較すると、糖負荷30分後のインスリン分泌量が多いことが分かりました。そして糖負荷60分後にインスリン分泌量はピークを迎え、その後は血糖値の低下と共に、インスリン分泌量は糖負荷90分後、120分…と減少しています。耐糖能異常パターンの方では血糖値の上昇に対しての最初のインスリン分泌の反応がやや遅く、その分、血糖値はしばらく高値が継続し、その間インスリンもダラダラと必要以上に分泌しているとのこと。糖尿病パターンになるとインスリン分泌自体が低下し、その後の分泌も少なく維持されるのでずっと血糖値は高いわけです。
一般的な健康診断や採血検査では、一時的なHbA1cや血糖値しか知ることができませんが、糖負荷試験を行うと、血糖値とインスリン分泌量の変化を知ることが出来ます。
ブドウ糖負荷試験の結果を踏まえて、治療が必要か、または食事や運動などでどのような注意が必要が医師からアドバイスを受けることが出来ました。自分自身の傾向を知ると、対策を立てられますので、糖負荷試験を受けて良かったと思いました。