ブログ

2024.09.06

更年期高血圧について。

  •  女性の患者様から、若い頃は低血圧気味だったのに最近、血圧が高めで。。。という相談を受けることがよくあります。多くの場合は女性ならではのカラダの変化がその原因です。いわゆる、更年期高血圧です。
  •  更年期によくみられる症状(めまい、動悸、イライラ、頭痛、ほてりなど)は、女性ホルモンの一つエストロゲンが減少し、ホルモンバランスが乱れることが原因とされています。更年期の血圧上昇も、実はこのエストロゲンの減少が関係しています。エストロゲンの低下にともない、血圧をコントロールしている自律神経の働きが乱れて、血圧が不安定になると考えられています。そのため、更年期高血圧では、一般的高血圧(加齢や塩分過多による高血圧)と比較して、血圧が不安定で変動しやすいという特徴がみられます。
  •  その背景には、更年期特有の不安やストレスが関係しています。過剰なストレスは高血圧の原因のひとつです。めまいや動悸があると誰でも不安になりますし、イライラするとストレスがつのります。さらに更年期の時期は、子どもの受験・進学・就職や独立、親の介護など環境の変化も重なることが多い時期です。その結果、血圧が上がると、さらに不安やストレスが増すというように悪循環に陥りやすくなります。実際に診察の場で、皆様からそのようなお話をよく聞きます。
  •  最近、血圧が上がってきている方は、朝晩の定期的な血圧測定に加えて、めまいや頭痛などの症状が起こったときにも血圧を記録するようにして、自分の血圧の変動パターンを把握しておきましょう。そして、急に血圧が上がった時は、その内容とその時の背景(症状、ストレスや睡眠不足の有無など)をメモしておくと、自身の血圧パターンの把握、そして予防にも役立ちます。
  •  あまり改善しない場合やお困りの場合、更年期障害の治療や血圧降下薬をおすすめします。気軽にご相談ください。