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2023.06.22
痛風シーズン到来!
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主に男性の方で、「特にぶつけたり、ひねった覚えもないのに、突然足の親指が腫れあがって痛い」なんてことをきっかけに病院を受診し、痛風が見つかる方は少なくありません。実は、医療業界ではあるある知識なのですが、痛風の発作は夏に多く、中でも夜中〜明け方に起こしやすいことが知られています。実際に当クリニックでも相談が増えています。
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痛風発作とは、高尿酸血症(血液中の尿酸が多いこと)で結晶化してできた尿酸結晶によって関節などに炎症を起こすことをいいます。好発部位として、足の親指が有名ですが、足の甲、かかと、膝、肘、肩、手関節どこでも見られます。初めて痛風発作を起こす条件としては、一般的には5年以上、尿酸値が7mg/dlを超える高尿酸血症であることと言われています。しかし、関節内に一定量の尿酸結晶が蓄積していれば、いつ発作を起こしてもおかしくありません。夏の暑さによる脱水や連日の暴飲暴食などによる尿酸値の変動や物理的な刺激が発作を誘発するきっかけになると考えられています。
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(今からでも遅くない、5つの対策)
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対策①食べ過ぎに注意
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摂取エネルギー(カロリー)を抑えて肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。肉や魚の内臓や干物にはプリン体が多いので,食べ過ぎないようにしましょう。
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対策②お酒は適量に
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アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。プリン体カットビールだからといって飲み過ぎてはいけません。日本酒なら1合,ビールなら500mL,ウイスキーなら60mLまでにしましょう。
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対策③水を2リットル以上飲む
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たくさんの尿で尿酸を排泄するため,水やお茶を1日2リットル以上飲みましょう。砂糖を多く含む清涼飲料水は逆に尿酸値を上げてしまうので飲み過ぎに注意しましょう。
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対策④ストレス解消を
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ストレスは尿酸値を上昇させる危険因子です。人と話したり身体を動かしたり趣味に没頭したり,あなたに合った方法でストレスを解消しましょう。
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対策⑤適度な運動を
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100メートルダッシュやベンチプレス100キロなど,息をこらえて行う無酸素運動は尿酸値上昇の原因になり得ます。話しながらでもできるような有酸素運動で肥満やストレスを解消しましょう。
(痛風を放置するとどうなるの??)
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痛風発作の痛みは通常7~10日ほどで自然に治りますが、治療を受けないと再発する場合もあります。また、痛風発作を何度も繰り返すと関節が変形し、破壊が進み、発作がなくても痛む“変形性関節症”へと進行することもあるのです。また尿酸値が高い状態が続くと、痛風以外にも以下のような合併症を引き起こすリスクがあります。
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・腎不全などの慢性腎臓病 ・脳出血や脳梗塞などの脳血管障害 ・狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患 ・尿路結石症
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このようなリスクを踏まえ、気になる症状があったり、尿酸が高いことを指摘されていたりする人などは早めに受診をして適切な治療を受けましょう。