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2021.11.30

高尿酸血症~痛風関節炎だけではない恐ろしい合併症~

 皆さまの多くは尿酸値と聞くと真っ先に足の親指の付け根が赤く腫れて痛くなる痛風発作(痛風関節炎)を思い浮かべることと思います。
 血液検査で尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態が「高尿酸血症」です。高尿酸血症が長期化すると尿酸が結晶化し全身で悪さをします。関節に溜まれば痛風発作リスクを高め,皮下組織や関節などに沈着すれば痛風結節というコブのようなものを作ります。激痛でおなじみの尿管結石の原因にもなります。また、腎臓の中に沈着すると,痛風腎を引き起こし腎臓の機能を低下させます。老廃物を尿として排泄できない腎不全にまで悪化すれば,透析を受けなければなりません。このことは意外と皆さまには知られていない印象です。医師の多くもあまり強くは腎不全の話まではしていないかもしれません。
 実際の尿酸関係の相談で受診される方の多くは食生活の乱れや飲酒の連続で痛風発作になってしまい、あまりの痛みで慌てて整形外科や内科を受診されるパターンが最も多いです。そして、消炎鎮痛剤などで痛みが一旦引くと、そもそもの原因の高尿酸血症については放置されてしまう・・・このパターンがとても多い印象です。少しずつ外食や飲みの場が増えてきていることと思いますが、健診で尿酸値が基準より高い指摘を受けた方、この数年で痛風発作歴のある方、血縁・家族に高尿酸血症、痛風発作、尿管結石の方が目立つ方、ぜひ内科で相談しましょう。