- 秋の夜長とも言われますが、皆さま、良質な睡眠がとれていますか?時間にすると「人生の3分の1は眠っている時間」、睡眠は人間にとって大切なことです。質の高い睡眠をとることは健康な生活において最も重要な活動のひとつです。
- 睡眠に関連する相談で多いのは、不眠症と睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。 医学的には、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸が見られる場合はこの疾患と診断されます。これまで、ご家族に「お父さん、イビキがうるさい・・・」、奥様から「あなた寝ている間に呼吸止まっているわよ、心配だから病院行って下さい」と指摘されていませんか?
- 睡眠時無呼吸症候群の合併症は高血圧、脳卒中、虚血性心疾患、糖尿病など多岐にわたります。
- ①脳卒中 SAS患者さんは脳卒中になる可能性が健康な人と比べ4倍といわれており、脳卒中患者さんの約40~90%にSASを合併しているとのデータもあります。SASが脳卒中を起こす原因としては高血圧や血流の変化、血液凝固の亢進などが考えられています。また、SASを合併していた方は合併していなかった人と比べ、発症後の経過が悪いといわれています。
- ②虚血性心疾患 SAS患者さんは虚血性心疾患になる人が3倍であるといわれています。また、心疾患患者さんの約30%にSASが合併していたとの報告が出ています。これは、脳卒中同様、高血圧などが原因や、無呼吸が起こるたびに心拍が上がることによる心臓への負荷、心臓が動くために必要な酸素が供給されないことも原因としてあげられます。
- ③糖尿病 糖尿病患者さんは肥満している人が多いためSASになりやすいと想像できますが、肥満に関係なく無呼吸自体が糖尿病を招くことがわかりました。特に中等症以上のSAS患者さんは、体重や年齢に関係なく健康な方と比較して、約1.5倍、耐糖能異常を引き起こす可能性があることが報告されています。
- 当院では保険診療にて検査(自宅でできる検査)から、治療(CPAP)まで実施しております。自身で思い当たるふしのある方、ご家族やパートナーにいびきや無呼吸の指摘を受けている方などご気軽にご相談ください。
2023.09.03